線維筋痛症:FM、リウマチ性多発筋痛症:PMR
線維筋痛症
病気がみえる 1)によると
- 慢性疼痛と様々な随伴症状を特徴とする原因不明の疾患
- 原発性のものと、リウマチ性疾患に続発する二次性のものがある
- 40-50歳女性に好発し、日本では200万人以上の患者がいるとされている。
- 発症要因は、ウイルス感染・外傷・手術・などの外的要因や離別や経済的貧困などの心理的要因に分けられる
- 症状:全身の筋・骨格系の慢性疼痛(3か月)を主症状とし、強い疲労感とともに、不眠・抑うつ・過敏性腸症候群・胃食道逆流症などを伴うことも
- 病態は不明で、脳の機能異常による下降性の疼痛抑制系の破綻ではないかと思われている。関節炎・筋炎は無いので、画像所見に異常をみとめない
- 治療:神経障害性疼痛治療にプレガバリン、鎮痛補助役にワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出物、抗うつ薬にデュロキセチン、オピオイドにトラマドール
ハリソンによると 2)
定義
- 慢性の広範な筋骨格系疼痛・圧痛を特徴とし、さらに疲労感・熟眠障害・認知機能障害。不安・抑うつを訴えることもある。
- また慢性疲労症候群、顎関節症、慢性頭痛、過敏性腸症候群・間質性膀胱炎・ほかの骨盤腔内疼痛症候群などの疼痛・疲労を伴う症候群との有病率が高い。
臨床症状
- FM患者の多くは『全身が痛い』と訴える。
- 疲労感・疼痛により、QOLは著しく低下
- 不安・抑うつもよくみられ、FM患者の障害有病率は80%に上る。
- 頭痛、顔面痛、顎痛、頸部や背部の筋筋膜痛、関節炎も認める
- 消化管・膀胱・骨盤・会陰部における内臓痛も認める場合がある
治療、非薬物治療
- FMの遺伝的背景・誘因・病態を説明することは、不安を軽減し医療費削減に重要な役割を果たす。
- さらに、治療により期待できることも教育し、痛みの除去よりも改善される機能やQOLにフォーカスした治療を実施するべき
- 緩徐だが堅実に前進できる低レベル有酸素運動の開始を推奨する。
薬物治療
- FM患者に最も有効な治療アプローチは、求心性あるいは下降性疼痛経路を標的にする。
- 抗うつ薬(SNRI)のamitriptyline, duloxetine, milnacipran
- 抗痙攣薬(電位依存性カルシウムチャネルのα2βサブユニットのリガンド)のgabapentin, pregabalin
- FM患者に、オピオイド系鎮痛薬を避けるべきである。これは、FMに対する効果が示されておらず、症状と機能をともに悪化させるオピオイド誘発性の痛覚過敏を誘発する。
プレガバリンとは、イラストレイティッド薬理学 3)によると
リウマチ性多発筋痛症
病気がみえる 1)によると
- 肩や頸部、骨盤帯の筋肉痛と朝のこわばりを特徴とする疾患
- 50歳以上の女性に多く、巨細胞性血管炎との合併率が高い
- 炎症所見をみとめ、リウマトイド因子・自己抗体は陰性、筋原性酵素は正常
- 治療は、ステロイド
ハリソン内科学 2)によると
定義
- 巨細胞性動脈炎はリウマチ性多発筋痛症と密接に関係している。
- PMRは頸部・肩・下背部・臀部・大腿のこわばり、うずき、疼痛を特徴とする。
- 通常は単独で発症するが、GCAの40-50%でみられる。単独発症のPMRの10-20%はのちにGCAへ進展する。
治療
- 単独で発症したPMRの治療は10-20mg / dayの低用量prednisonで開始し、患者はこれに速やかに反応する。
膠原病治療ノートによると4)
定義
- 壮高年のみに生じ、近位筋痛の突発と強い炎症反応で特徴づけられる、原因不明の疾患である。
- 少量ステロイドが著効するが、治療しないと痛みが続き、しばしば熱も伴う。
- 感染症がPMRと酷似する場合があり、みなし診断でステロイドを始めると危険。
- GCAとPMRはしばしば共存し、両疾患は欧米で高頻度である。
臨床の要点
- 高齢者がほとんど、50歳未満とくに若年者はPMRと診断しない
- CRPと赤沈の両方が亢進し、赤沈は普通高値
- 筋痛は必ず両側性であり、必ず近位を含む
- 発熱は少なくない
- 大関節痛をともなうこともあり、一部の患者では関節痛が主訴となる。
- GCAとの関係は、GCAの半数でPMRを合併し、PMRの20%でGCAを伴う
症状
- 筋痛:急発症し、多くの患者が発症した日の出来事を覚えている。対称性かつ近位の筋痛(肩~上腕、臀部~大腿)
- 脱力は無い
鑑別の要点
- 症状が片側性なあらPMRではない、遠位筋のみの痛みもPMRでない
- 徐々に生じた筋痛はPMRでない可能性が非常に高く、多発性筋炎・血管炎・MDSのリウマチ症状の可能性がある。
- PMRにみる血液データ異常は、白血球異常・炎症性貧血・血小板増加・ESR亢進・CRP上昇・低Alb・ALP上昇のみ
治療
- Prednisolone/PSL 15mg/day 内服に非常によく反応して、症状が消失することが多いが、例外もありこのときは結節性血管炎、GCAの共存、実は感染症、MDSという可能性もある。
- PSL 15mg/dayでCRPが0になったら漸減する
まとめると
冒頭の写真は欧州の格安空港RYANAIRです。
時間通りに発着することはないです。
ご利用の方は、気おつけてくださいwww
1)
2)
福井次矢他 監修、ハリソン内科学、5版、MESI、2017
3)
柳澤輝行 監修、イラストレイテッド薬理学、5e、丸善書店、225、2012
4)
三森昭夫、膠原病診療ノート、3版、日本医事新報社、416-421、2018
twitterもやってます
世界の美女たち #はてなブログ
— ヒデオキ (@1958625) 2019年1月3日
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