サルコイドーシス
定義 1)
・リンパ節、肺、眼、心など多臓器を侵し、病巣部へ活性化T細胞の集積を伴い、非乾酪性肉芽腫を特徴とする炎症性疾患
・原因不明
肉芽腫を呈する疾患 2)
- 乾酪性肉芽腫:結核
- 非乾酪壊死性肉芽腫:サルコイドーシス、関節リウマチ、クローン病など
肉芽腫とは 2)
-
炎症反応による病変のひとつであり、顕微鏡的に類上皮細胞、マクロファージ、組織球、巨細胞などの炎症細胞が集合し、この周囲をリンパ球、形質細胞と線維組織が取り囲んでいる巣状病変のこと
サルコイドーシスでの非乾酪壊死性肉芽腫とは
- リンパ節、肺、皮膚、肝などの生検で認められる。
- 肉芽腫中心部に壊死を認めない
- ランゲルハンス巨細胞や異物型巨細胞の両方を認め、この中に、アステロイド小体, シャーマン小体と呼ばれる細胞内封入体を認めることがある。
アステロイド小体 3)
サルコイドーシスの症状、所見 1)より作成
- 心筋内へ肉芽腫の浸潤によりうっ血性心不全や不整脈が起こる。びまん性に肉芽腫が浸潤することで、左室の駆出率が10%以下となり、重篤な心不全となる。
- 不整脈は、肉芽腫の部分的な浸潤でも生じ、房室結節に及ぶと心電図で検出可能な心ブロックが生じる。24時間ホルター心電図などで最も効率に感知される。
- 心サルコイドーシスの確定には、MRIやPETが利用される。
- 高カルシウム血症は肉芽腫からの1,25-ジヒドロキシビタミンDの過剰産生により生じる。
- 1,25-ジヒドロキシビタミンDは小腸における、カルシウム吸収を亢進させ、血清副甲状腺ホルモン値の抑制を伴う高カルシウム血症である。
病初期には、高率に肺病変が認められることがわかる。
サルコイドーシス発症の経過中に、皮膚病変、眼病変が生じてくることもわかる。
胸部X線:肺門部リンパ節腫脹
眼所見角膜後面の豚脂様沈着物 4)
雪玉状の硝子体混濁 4)
Ga(67)シンチ
- 縦隔・肺門部リンパ節などに集積する。
- 唾液腺腫脹でパンダサインを呈することもある
結節性紅斑のアトラス 5)
検査所見
- 胸部レントゲンはサルコイドーシスの肺病変を評価する最も一般的な検査法である。
- PETは胸部や他の部位におけるサルコイドーシス病変を確認する検査法として、ガリウムシンチにとって代わりつつある。
- この2つの検査は生検部位を確認するために使用される。PETでの代謝活性の亢進所見はサルコイドーシスにより生じた肉芽腫によるもので、悪性腫瘍の播種ではない。
- ACEは通常上昇し、疾患の活動性と関連する。
- 血清中のACEはサルコイドーシスに対する感度・特異度は高くない。血清ACEの上昇は急性サルコイドーシス患者で60%に認められるが、慢性患者では20%程度。ハンセン病、ゴーシェ病、甲状腺機能亢進症、粟粒結核でも上昇する。
診断 1)
臨床所見と病理所見の両方が必要
・生検により、肺または他臓器で非乾酪性肉芽腫が証明され、臨床症状がサルコイドーシスと合致。
・肺門部リンパ節腫脹など特異度の高い徴候を認める場合
治療
・両側肺門部リンパ節腫脹のみ、
または自覚症状が少ない場合
➡経過観察
・多臓器病変を認める場合
房室ブロック:ペースメーカ埋め込み
・全身的治療として
グルココルチコイドや細胞障害性薬物、生物学的製剤など。グルココルチコイドの減量目的で代替薬に変更する。
冒頭は、西安の大雁塔。このとき中国は春節で爆発的に人であふれてました!!!
1):
福井次矢他 監修, ハリソン内科学, 5版, メディカル・サイエンス・インターナショナル社, 2017, 2256-2263
2):
坂本 穆彦 監修. 標準病理学, 医学書院, 5版, 2015, 64-67
3):
4):
医療情報科学研究所 編集, イヤーノート・アトラス, 7e, メディック・メディア, 2018, I50-52.
5):
清水宏, 新しい皮膚科学, 2版, 中山書店,333-334, 2011
6):
世界の美女たち #はてなブログ
— ヒデオキ (@1958625) 2019年1月3日
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