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流産 早産

 

流産とは妊娠22週未満に妊娠の中断が起こること

12週未満を早期流産、妊娠12週以降を後期流産と呼ぶ。前者は主に胎児側の原因、後者は母体側の原因であることが多い。切迫流産とは性器出血、軽度の下腹部痛、子宮口未開大に特徴づけられ、超音波にて胎芽、心拍を認めるまたは絨毛膜下血腫をみとめる。妊娠の継続は可能。稽留流産は胎芽が子宮内で死亡し、子宮内に停滞しているが母体に自覚症状が無い状態。エコーでは枯死卵、内診で子宮口未開大、妊娠の継続は不可能。

進行流産は流産が進行している状態で、内診では子宮口開大、切迫流産に比べ大量の性器出血、胎芽の有無または胎児心拍が認められない。

 

 

早産とは妊娠22-37週未満の分娩

切迫早産とは妊娠22-37週の時期に規則的な子宮収縮と頸管熟化をみとめ、早産の危険が高い状態。原因の大半は絨毛膜羊膜炎:CAMとされる。症状は下腹部痛、性器出血、破水、胎児心拍陣痛図は規則的子宮収縮、早産マーカーの顆粒球エステラーゼ活性・fFN(癌胎児性フィブロネクチン)上昇、頸管熟化で頸管長が30mm未満なら要注意・25mm未満なら入院。臨床的CAMならば妊娠中止(ターミネーション)、破水している場合は、週数により対応が異なる。32週未満なら母体ステロイド投与・抗菌薬投与で妊娠を継続させる、34週未満なら抗菌薬投与、34週以降はターミネーション。未破水で胎児well-beingに異常がない場合は入院安静、子宮収縮抑制薬、ステロイド早期胎盤剥離のruled-outが必須

Tocolysis Index

子宮収縮、破水、出血、頸管開大をそれぞれスコアリング

2点以下なら自宅安静

3点以上は入院

5点以上は予後不良で早産に至る可能性がある

 

子宮収縮抑制薬

塩酸リトドリン、硫酸マグネシウム:子宮収縮による分娩進行を抑制

ウリナスタチン:エラスターゼ活性を抑制し、頸管熟化を防ぎ、破水を予防する

抗菌薬:感染予防

 

切迫早産の要素

  • CAM ±

  • 頸管熟化 +

  • 子宮口開大 +

  • 前期破水 ±

 

CAMとは、胎児付属物の卵膜に細菌感染が生じる炎症性疾患で、発症すると早産のリスクファクタ―。Bacteroides属,Gardnerella vaginalisが多い。診断基準は、母体の発熱(38度以上)がある場合、次のうち1つ以上あること。母体の頻脈、子宮の圧痛、膣分泌物・羊水の悪臭、白血球増加。これらの要素が出そろうときにはCAMは進行しているので、不顕性CAMの時点でfFN,顆粒球性エステラーゼを調べ、CAMを早期発見することが必要。

 

前期破水:PROMとは、陣痛発来以前に卵膜の破綻をきたし、羊水が流出したもの。37週未満を preterm PROM、37週以降をterm PROMと言う。

preterm PROMでは新生児合併症は多い。卵膜が破れることで臍帯脱出、子宮内感染、臍帯の圧迫から胎児機能不全、子宮内圧の低下から早剥。前期破水の診断は、pH変化を見るBTB試験紙法、羊水中の成分を見る生化学検査などがある。破水だと思って調べたら、尿漏れだったということもある。

 

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